舞台は「光の総合芸術」とも言われ、演劇において照明が果たす役割は物凄く重要です。照明の効果一つで、演者の映え、観客の感情や舞台上の雰囲気がどうとでも変化するので、劇の成果に絶大な影響を与える為です。
電気がない時代には、演劇はもっぱら昼間に行われ、昼夜の変化などは、俳優の演技により表現されていました。照明技術というのは長らくそこまで重要な存在でなかったのです。
しかし19世紀末に炭素電球が発明され、屋内での演劇が主流になってくると、照明の重要度が高まり、演劇史は新たな画期を迎えることとなりました。
技術の進歩とともに、多彩な演出パターンが生まれ、表現の幅が広がりました。光の色、光の方向、光の明暗、光の変化などを駆使して、季節や時間帯、さらには役の感情なども演出できるようになったのです。
より分業化が進んでいる商業演劇においては、舞台照明は照明設計者(プランナー)と操作者(オペレーター)の協力のもと行われます。
プランナーは、公演内容に合わせて照明演出を考え、舞台の雰囲気や使用する照明の種類などといった照明プランを立てるのが仕事。オペレーターは照明機材を駆使して、その演出を体現するのが仕事です。
照明になるのに特別な資格は必要ありませんが、専門学校や大学で舞台照明に関わる専門知識を学んだ人が多いです。
ただ専門知識や機材を扱えること以上に、舞台を俯瞰し、最適な照明演出を導き出す美的センスや、演出家の意図を正確に読み取るコミュニケーション能力が求められます。
近年はコンピューター制御のムービングライト、さらにはプロジェクションマッピングやホログラム演出なども取り入れられるようになっていますので、ITに関する知識がいっそう求められるようになってきました。
・フットライト
・スポットライト
・ホリゾントライなど
・溶明
・溶暗
・暗転