演劇における脚本家（戯曲家、劇作家とも）の役割は、物語の流れと展開を作り出し、登場人物のセリフや動作を書くことです。演劇の基盤となる物語を構築する、最も重要といっていい役目を担い、その質によって、舞台上の評価は大きく左右されるのです。

物語の構築

脚本家は物語のアイデアを考え、ストーリーの構造や展開を決定します。物語のテーマやメッセージを支柱として、登場人物の関係や動機も設定するのです。例え原作ありの演目であっても、上演時間に合わせて、物語を再構築したり、原作とは異なる視点・展開で描くことを要求されたりするため、どの道脚本家の技量は問われます。

セリフの作成

登場人物の台詞を考えるのも、脚本家の重要な仕事です。台詞は物語の進行や登場人物の性格、感情を表現する重要な役目を担っています。台詞がなければ脚本は成り立ちません。

ステージの指示

脚本家は脚本を書くだけでなく、舞台上での登場人物の動作や配置、照明や音響などの舞台効果を指示することがあります。つまり演出を兼ねている場合が多いです。脚本と演出を同じ人間がコントロールするこによって、思い通りの視覚的・聴覚的な演出が可能になり、物語の雰囲気や状況を観客に伝えることがでいるのです。

演出家や俳優との協力

脚本家には、演出家や俳優と密接にコミュニケーションをとり、脚本に書かれた物語の意図や登場人物の感情を、正確に伝えることが求められます。また、演出家や俳優からもフィードバックを受け入れ、脚本の改善や調整を行うことも多いです。

脚本の改訂

演劇は制作過程で、「もっとこうしたらいいんじゃないか」「ここの表現は問題がある」など、変更を迫られることが少なくありません。そのため状況や要求に応じて脚本を改訂することもまた仕事で、これにより、柔軟なストーリー展開や演出が可能になるのです。 総じて、脚本家は演劇において中心的な役割を果たし、物語の骨格を作り上げるクリエイティブな存在なのです。