演劇はテレビやゲーム、インターネットなどない時代から、人々を魅了してきた芸術の一つ。そんな演劇における「三要素」の筆頭が俳優です。演劇における俳優たちの仕事内容や役割、そして日々どんな努力をしているか等について詳しく解説していきます。
舞台俳優は、まず何と言っても与えられた役の背景や性格、動機などを深く理解することから始めます。台本を繰り返し読み、役を徹底的に研究することで初めて、真実味のある演技をすることができます。演出家とよくコミュニケーションをとり、戯曲の解釈の擦り合わせを行うことも欠かしません。
俳優は役になりきるために、ダイエットをしたり、逆にあえて太ったりすることも・・・。
勿論研究して終わりではありません。研究した結果として理解した「役」を。実際に体現する「役作り」こそが重要です。身体表現や発声の仕方、感情の探求などを詰めていくんですね。台本を渡されてから千秋楽の日まで、この作業を常に行い、役の解像度を高めていく訳です。
※戯曲の中の登場人物には無限の解釈があるため、その中で最も伝えたいメッセージを見つけ出すことが重要になってきます。
舞台上でのスムーズなパフォーマンスのため、俳優は台詞を完璧に暗記することを求められます。何度でもリテイクがきくドラマや映画と違い、演劇では失敗が許されないため、舞台俳優には映像俳優以上に台詞覚えの努力が必要になってきます。
舞台上での役者の位置や動きは、物語の流れや他の役者との関係性に影響します。映像俳優のように常に演者が寄りの画で撮られているわけではないため、舞台の規模に関わらず、役の感情、思い、台詞をしっかりと表現することが重要です。
リハーサルでの練習を元に、舞台上での本番演技を行います。公演期間中でも観客の反応や空気を感じながら演技の調整を行うなど、役のブラッシュアップは怠りません。
公演が終わった後も、自らの演技を振り返り、反省点をメモするなどし、俳優としてのさらなる成長を目指すのです。
以上俳優の仕事内容について解説させて頂きました。
舞台上の俳優の華々しい姿は、長期間の役作りの上に成り立っています。ごく短い期間の公演の為に、その何倍もの期間、無限の情熱と努力を注ぎ込むのです。
その過程で挫折を味わうことは珍しくありませんが、それでもめげずに一歩一歩努力出来た人だけが、観客の心的世界に食い込む、感動的な演技を生み出すことが出来る訳ですね。